映画 バベル(2006) を今更見た。ブラッドピットや役所広司が出てるやつ。
昔サンディエゴからティファナに行ったことがあるが、あそこは本当に簡単に国境を越えれて、日常的に人が往来している。島国の日本で考える「国境」越えほど大仕事ではなく、乳母のおばさんが子供をつれて国境を越えたのを浅はかすぎと思いがちだが、それほど大それたことではないと思う。その後、オバマ大統領が長期滞在違法移民に市民権を与えたり、トランプ大統領が壁を作ったり、移民問題はあちらの「社会問題」ではありますが。
以下ネタバレです
しかしこの映画、イライラさせる登場人物とエロ描画にうんざりしながら見て、最後まで見てもすっきりしない。
とりあえず、チエコ(菊地凛子)の母親が自殺した原因は「近親相姦」(チエコと父親ができちゃったのを知って母親が自殺した)だと思う。
- モロッコで弟が姉の裸をのぞいてオナニーするシーン
- チエコがからかわれて「アンタの父親と寝てやる」と言う
- チエコが男をエロ手段で誘いまくる
などの点から、そうでも考えないとつじつまが合わない。
あるいは、一歩進んでこういう解釈もあり(近親相姦を匂わせる嘘を言ったために自殺)
Prism Viewpoints チエコが刑事に渡した手紙の内容●バベル
しかし、自殺の原因、チエコの言う「飛び降り」と父親の言う「猟銃自殺」、で何の違いがあるのか?飛び降りだからって父親をかばってるとはならんし、銃=チンコの象徴だから、それを無意識に避ける作り話とか?
この映画、解釈が自由と言えば聞こえがいいが、脚本がザルすぎて、本当にすっきりしない。女子高生のパンチラならぬマンチラ、全裸の娘と父親の抱擁とか、何かキャッチーなシーンだけ思いついて、ストーリーは後付ちゃいますか。
映画『バベル』は映画じゃないんだ、スライドショーなんだと思え
多分これは映画じゃなくて、歌、ビデオクリップみたいなもんなんだろう。17歳ぐらいの思春期の人が見たら共感できるかもしれないし、娘や嫁とうまくいっていないおっさんが見たら共感できるかもしれないし、共感できる領域がない人には何それって感じになるし。
昔「全部見せたら飽きられてしまうから~」みたいな歌?があった気がしたが(出てこない)、恋愛テクニックじゃないけど、薄っぺらい中身を見破られないために、何事もはっきりさせずに相手に勝手にかいかぶってもらおう的な小手先テクニックですね。